天主堂の後方にあり、2階建てで4坪、階上に鐘が置かれています(新しく建て替えられています)。鐘は朝顔型で、高さ2尺7寸、径3尺2寸、(青銅製)懸釣6寸です。この聖鐘は、フランスのマン市に於いて、ポール・ベル父子により製造され、1865年、フランス人の信仰厚き一人のカトリック信者(匿名)によって、大浦天主堂に寄贈されたものです。聖鐘の銘には次のように彫られています。

私はクロチルド・アドルフ・ルイズという名前です。1865年フランスのマン市に生まれ、その地の司教シャルル・ジャン・フィリオン台下に聖別されました。私の代父はシャルル・アドルフ・ド・ルジェ伯爵で代母は、アンナ・クロチルド・ドロリエル夫人でした。ポール・ベル父子が私の鋳工であり、調律師です。

この聖鐘は、大浦天主堂創立以来ずっと、鳴らされ続けています。当初は人が引っ張って鳴らしていましたが、現在では自動で、昼12時と夜6時に時を告げる鐘として鳴らされています。第二次世界大戦中、寺社の多くの梵鐘が供出させられましたが、この鐘は由緒ある物として、供出をまぬがれたといわれています。